公共性や価値が高く、極めて広く流通するため、支配権の誇示に用いられる。貨幣や硬貨に国家指導者の肖像が刻まれることが多い。また、イギリスでは切手に女王の横顔のシルエットが入れられている。
集会・イベントの手法
会場の規模や装飾などの豪華さ・贅沢さ。または逆に貧弱なものを見せつけ、大衆の味方であるように装う。
デモ・集会に支持者を大量に動員し、如何にも多数の支持を集めているかのようにメディアで演出する。逆に反対者は少数しか集まらなかったように見せる。公表される参加者数は「警察発表」と「主催者発表」で大幅に異なるのが通例である。
式典における演説や部隊の行進、マスゲームなどの一糸乱れぬ団結力の誇示。
記念日制定や運動週間(旬間・月間)など宣伝活動の実施。
国際的なスポーツ大会での国威発揚(特にオリンピック)。
敵対国での運動を支援し、自勢力に有利な状況を作り出す(色の革命)。
ポスター・看板の手法
街頭のポスターや看板を、色や図柄で埋め尽くし強い印象を与える。
ポスターや看板を大量に設置することで、その勢力を大きく見せる。
キャッチコピーに、強い口調・表現を用いる。
芸術などの手法
戦時の日本では、国家の統制管理下に芸術家らをおき、政府直轄の芸術家協会(報国会)に所属させ表現を利用した。反体制主義の芸術家は投獄、協会へ所属しない者は即徴兵とされた。台湾での実話を基にした「サヨンの鐘」など愛国美談として語られ製作されたものもある。
ナチス・ドイツでは、抽象画やモダンアート、アバンギャルド芸術を「退廃芸術」と称し、かつて美術館が買い入れた作品を集め、「退廃芸術展」という美術展を各地で開催した。作品は粗末に扱われ、罵倒に満ちた解説と、国による購入価格も並べて展示された。退廃芸術展の総入場者数は300万人を超え、史上最大の観客数を集めた美術展となった。また、音楽分野でも「退廃音楽展」が開かれている。
一方でナチス・ドイツが奨励する芸術を集めた「大ドイツ芸術展」も開かれている。しかし、当初美術界側が選定した作品にはナチスにとっての「退廃芸術」が多く、再選定のため開催が一年遅れている。
プロパガンダと芸術家
古代から芸術家は権力者から庇護を受けることで芸術活動を行い、作品が後世に残される可能性が高まる。現在、名作とされる作品にも権力者の依頼により製作されたものが多くあり、その権力者を礼賛する為に制作された作品も少なくない。近代以降、芸術の大衆化により芸術家は必ずしも権力者から庇護を受ける必要はなくなったが、商業上の成功を目的として作家みずからが大衆の求めに応じる形で意図せずプロパガンダを助長する作品を製作する例も多い。また、権力や時流により不本意ながら体制を称える作品を製作せざるを得なかった芸術家もいた。逆に体制に便乗して、多少の不満は抑えて自分の才能を積極的に売り込むことを意図した芸術家もいた。
また、ロシア・アヴァンギャルド運動やプロレタリア文学のように、芸術の表現により政治的な変革を目指すといったプロパガンダと不可分な芸術活動も存在する。
一方でこうした芸術家は、プロパガンダに協力したということで、後に不当に低い芸術的評価を受けることもある。
主要な人物
ロシア・アヴァンギャルド
カジミール・マレーヴィチ、ウラジーミル・タトリン、アレクサンドル・ロトチェンコ、エル・リシツキー、パーヴェル・フィローノフ、グスタフ・クルーツィス
映画
ソ連:セルゲイ・エイゼンシュテイン
ドイツ:レニ・リーフェンシュタール
画家・彫刻家
ドイツ:アドルフ・ツィーグラー、イヴォー・ザリガー、マルティン・アールバハ、パウル・マーティアス・パードゥア、ルドルフ・リプス、ゼップ・ヒルツ
ドイツ(彫刻家):ヨーゼフ・トーラク、ゲオルグ・コルベ、アルノ・ブレーカー
日本:藤田嗣治 (戦争画)
日本(漫画・イラストレーション):小松崎茂、横山隆一(漫画家。アニメ映画に『フクちゃんの潜水艦』。また、アメリカ軍の宣伝ビラにも無断でキャラクターが使用された。)
小説・劇作家
ドイツ:テア・フォン・ハルボウ
日本:海野十三
音楽
ソ連:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アメリカ:マレーネ・ディートリッヒ(歌謡曲リリー・マルレーンをカバーし、ヨーロッパ戦線の連合軍兵士を慰問した。)
写真
ドイツ:アンドレ・ズッカ(ナチス宣伝誌『シグナル』専属カメラマン。)
アメリカ:マーガレット・バーク・ホワイト
日本:名取洋之助
アニメーション
日本:瀬尾光世( アニメ映画『桃太郎の海鷲』、『桃太郎 海の神兵』)
アメリカ:ウォルト・ディズニー(ドナルドダックが主人公の短編アニメ映画『総統の顔』は1943年アカデミー短編アニメ賞を受賞した。)、フライシャー兄弟 、ウィリアム・ハンナ・ジョセフ・バーベラ(ハンナ・バーベラ・プロダクション)
プロパガンダに使用されるシンボル
プロパガンダにはシンボルが利用される。概念にすぎない主張を視覚化する効果があり、意識的・無意識にかかわらずよく使用される。
また、当初はその意図がなかったものも、その後の経過により象徴としてプロパガンダに活用される事がある。アメリカ的民主主義の象徴としての自由の女神像や、反核運動の象徴としての原爆ドーム、東西分断の象徴としてのベルリンの壁などがある。
これらのシンボルは、対抗勢力によるプロパガンダとしての破壊や侮辱を受けることがある。ベルリンの壁の崩壊がその例である。また、ソ連ではスターリン批判後にスターリン像が、崩壊後にはレーニン像が倒されている。第二次世界大戦中、アメリカ軍は日本人の精神に大きなダメージを与えるためとして、日本の象徴である富士山をペンキで真っ赤に塗る計画が検討したこともある。
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